記憶はスマホに任せる。50代からの「頑張らない」デジタルとの付き合い方

生活編

■ 分からない言葉が、静けさの中に残った

夜、リビングでなんとなくテレビを見ていたときのことです。 ニュース番組の会話の中で、ふと「聞き慣れないカタカナ言葉」が耳に入ってきました。

意味は分かりません。 でも、今すぐ生活に困るわけでもない。 昔なら、誰かに聞くほどのことでもなく、そのまま流してしまっていたでしょう。

ただ、夜の静けさの中で、その言葉がなぜか頭の片隅にこびりついて離れない。 「あれ、なんだっけ?」という小さなノイズが、リラックスタイムを少しだけ邪魔するような、そんな落ち着かない感覚でした。

■ 「脳の外部ストレージ」としてスマホを使う

そのとき、私は手元のスマートフォンを手に取りました。 ホーム画面に置いてある「Google検索ウィジェット(検索窓)」をタップします。

真面目に勉強しようとしたわけではありません。 ただ、頭の中に残ったノイズを、スマホという「別の場所」に移したかっただけです。

検索窓にその言葉を打ち込み、検索ボタンを押す。 画面に説明がズラッと並びます。 私はそれを、全部は読みません。冒頭の数行を眺め、「ああ、そういうジャンルの話か」とだけ確認して、すぐに画面を閉じました。

理解度は30点くらいです。でも、それで十分でした。 **「スマホの中に履歴が残った」**という事実が大事だからです。

■ 覚えることをやめると、夜が軽くなる

そのままスマホをテーブルに置き、結局その夜はぐっすりと眠りました。

翌朝、検索した言葉の意味を詳しく覚えているかと言えば、怪しいものです。 けれど、もしまた気になれば、スマホの履歴を見ればいい。 私の脳みその代わりに、スマホが記憶してくれている。

そう思うだけで、脳のメモリが解放されたような軽さを感じました。 以前なら、「年齢のせいで覚えられないのかな」と不安になっていたかもしれません。 でも今は違います。 「覚えない」のではなく、「機械に任せる」という選択をしているのです。

■ 便利な道具は、サボるためにある

スマホやパソコンというと、つい「効率化」や「バリバリ仕事をこなす」ための道具だと思いがちです。 でも、50代からのデジタル機器との付き合い方は、もっと「ズル」をしていいのだと思います。

  • 分からないことは、とりあえず検索窓に放り込んで忘れる。
  • 覚えるのが面倒な予定は、カレンダーアプリに丸投げする。
  • 思いついたことは、メモアプリに喋りかけて文字にしてもらう。

自分の脳を休ませるために、ハイスペックな道具を使う。 そういう「静かな贅沢」こそが、大人のガジェット活用術なのかもしれません。

■ スマホとの、心地よい距離感

スマホが、急に魔法の杖になったわけではありません。 でも、「分からなくていい。とりあえずここに預けておけばいい」と思える場所があるだけで、生活のノイズは驚くほど減ります。

便利さのために必死に使いこなす必要はありません。 ただ、気になるものをそのまま置いておける「引き出し」として。 スマホとは、そんな実用的な距離感から付き合い直してみるのも悪くありません。

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