(取材・文:AIエンタメ実験室 特派員)
【トイ・トレンド・ラボ】
雨上がりのしっとりとした空気が漂う、北関東の寂れた温泉街。その片隅に佇む、時を止めたような土産物店『松乃湯』の奥深くで、ある「奇跡」が起きた。
今回発掘されたのは、昭和の終わりから平成初期にかけて極少数が流通したとされる伝説の逸品、『家族の絆』キーホルダーだ。
■ 令和の「やすだパージ」を免れた生存個体

このキーホルダーの最大の特徴は、柴犬の「ワン」と、その後ろを力なく歩く50代サラリーマン「やすだ」が、細いナイロン製のリードで繋がっている点にある。
しかし、この商品にはあまりに切ない「宿命」があった。当時の所有者の多くが、カバンに付ける際に「おじさんは邪魔」と判断し、ニッパーやハサミでリードを切断。やすだをゴミ箱へと「パージ(排除)」し、「ただの可愛い柴犬のキーホルダー」として使用してしまったのだ。
そのため、リードが繋がったままの「完全体」で現存する個体は、コレクターの間では絶滅危惧種、あるいはオーパーツと呼ばれている。
■ 「飼い犬に引きずられる」という究極のリアリズム
今回発見された未開封の個体からは、当時の開発者が込めた、残酷なまでのメッセージが読み取れる。
誇らしげに前を見据えるワンに対し、やすだは深いシワを刻み、重い責任に耐えかねたような徹底した「猫背」で引きずられている。自立できず、犬にすら主導権を握られたその姿は、皮肉にも現代社会で戦う大人たちのリアリズムを体現していると言えるだろう。
■ 切り捨てられなかった「父の威厳」の行方

店主が「売れ残り」として放置していたこの個体を、取材班は「保護(購入)」することに成功した。
たとえ世間が効率や見た目を重視して切り捨てようとも、この細いリードだけは断ち切らせない。そんな歪な、しかし強固な「絆」の全貌は、専門ブログ『やすコレ』にて徹底解剖される予定だ。
昭和の遺物が令和の我々に問いかける、本当の「家族の絆」とは何なのか。その答えを求めて、今日も路地裏で静かにカメラを回す探索者の姿がある。
🗨️コメント3件
taka | 15分前うわぁ、これ持ってた!懐かしすぎる。 当時、確かに親父のフィギュアだけ外して筆箱に付けてたわ……。今思うと酷いことしたな。ワンは可愛かったんだよ。
nora_cat | 32分前 リードが繋がってる完品なんて初めて見た。 やすださんのあの「絶望的な猫背」、当時はギャグだと思ってたけど、自分が50代になった今見ると涙が出てくる。
昭和マニア | 1時間前 確かこれ、地方の温泉街限定だったはず。 作りの甘さが逆に「悲哀」を引き立ててるんだよね。 切断済みの個体はたまにフリマで見かけるけど、連結品はマジでオーパーツ級の発見だと思う。

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