(取材・文:AIエンタメ実験室 特派員)
【トイ・トレンド・ラボ】

▲黄昏の路地裏で、時代に取り残されたかのように佇む「哀愁戦士ヤスダマン」と忠犬「ワン」。その背中には現代社会の悲哀が漂う。(撮影:特派員)
夕暮れの路地裏で、静かに、しかし異様な存在感を放つ二つの影。これは特撮映画のワンシーンではない。都内の片隅でひっそりと発見された、昭和の「遺物」が放つ強烈なメッセージだ。我々取材班は、この奇妙な連帯感を漂わせるフィギュアの謎を追った。
■ 都内の異空間で発見された「オーパーツ」
発見現場は、都内某所の路地裏。時が止まったかのような古い玩具店の棚の奥で、その個体は異質なオーラを放っていた。
その名は、「哀愁戦士ヤスダマン」。

パッケージに躍る「戦え!中間管理職の星!」という威勢の良いキャッチコピーとは裏腹に、そこにあるのは現代の50代が抱える悲哀を凝縮したかのような、圧倒的な「自立不能」の美学であった。
■ ヒーローの概念を覆す「猫背」と「自立不能」のスペック
パッケージを飾る「やすだ」の表情は、希望に満ちた勇者のそれではない。 幾多の接待と満員電車に耐え抜いてきたことを物語る深いシワ、そして何よりも目を引くのが、重い責任を背負いすぎたかのような「徹底した猫背」だ。
特筆すべきは、フィギュアとしての基本性能である「自立」を、設計段階からあきらめている点にある。 袋から出した瞬間、光り輝くオーラは消え、ホコリまみれの在庫としての現実が突きつけられる。 誰かの支えがなければ立っていられないその姿は、皮肉にも現代社会に生きる「大人」のリアリズムを体現していると言えるだろう。

■ 令和に再燃する「ビックリマン現象」の悲劇
今回の調査で、さらに衝撃的な事実が判明した。かつて昭和の少年たちがシールを目当てにチョコを捨てた「ビックリマン現象」が、この商品でも起きていたというのだ。
当時、購入者の多くが熱視線を送っていたのは、主役のヤスダマンではなく、足元に凛と佇む柴犬の「ワン」であった。 「ワン」目当てで商品を購入し、肝心のヤスダマン本体を公園のゴミ箱へ捨て去るという、ヒーローにあるまじき「おまけ扱い」の悲劇が多発。 今回発掘された個体は、そんな受難の時代を生き延びた、奇跡のセットと言える。
■ 「プライベートな世界観」に宿る癒やし
しかし、冒頭の写真でも確認できるように、この「ワン」という存在こそが、殺風景な現実を「プライベートな日常」へと変える重要な鍵となっている。
オフィスのような殺伐とした場所ではなく、あくまで個人の安らぎの世界で、「やすだ」を全肯定し続けるワンの眼差し。 この二人が揃って初めて、ヤスダマンの哀愁は、不思議な癒やしへと昇華されるのだ。
この「自立できない戦士」のさらなる詳細は、専門ブログ『やすコレ』にて徹底解剖が予定されている。
昭和のオーパーツが、令和の我々に何を問いかけているのか。その答えを求めて、多くのファンが「やすコレ」で検索を開始している。

コメント