
ワサビくんやすださん。コピー機の中から断末魔のような異音が聞こえますが。また紙を『シュレッダー機』と勘違いして、力任せに引きちぎったんですか?



違うよワサビくん! 私はただ、詰まった紙を優しく救出しようとしただけなんだ。……結果的にバラバラの死体みたいになっちゃったけどさ。



『優しく』の結果がこれですか? スキャンしたところ、内部ローラーがあなたの物理的なパワーに怯えていますよ。もはや修理ではなく、破壊工作(デストロイ)の域ですね。



うぐっ……。昔の機械はちょっと叩けば直ったもんだが、今のやつは繊細すぎて困るよ。指先の器用さが、どうもデジタルの精密さについていかなくてね。



その指先、ガンプラを眺めるだけなのが正解だと証明されましたね。隣で涼しい顔をして直している若手社員の、迷いのない操作を見習ってください。



彼らは魔法使いか何かなのか? 私が格闘していた10分間は何だったんだ……。背中に添えられた彼女の優しさが、逆に心に突き刺さるよ。



それは『憐れみ』という名のノイズです。……いいでしょう。今日の『夜間学校』では、そんな紙詰まりの絶望を味合わないための『ペーパーレス化とデータ共有』について講義します。



受けるよ、受けるけど……その前に、この粉々になった紙と一緒に、私のこの醜態もクラウドのゴミ箱へ完全消去してくれないか?









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